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法律と飛行管理空域
自由に空を飛び回ることができるパラグライダー。では、どんな上空でもフライトして良いのでしょうか?
日本国内の空に関する法律というと、飛行機のフライトの安全と障害防止を目的とした「航空法」があります。実は、パラグライダー(車輪等をつけない)はこの航空法では航空機の扱いとならず法規制の対象外となります。(2012年7月現在)
パラグライダーは法規制が無いから何処でもフライトして OK?
答えは「NO!」です。
管理空域と非管理空域
航空法では国際民間航空条約の標準に従い世界共通ルールでの「空域のクラス分け」をしており、このなかでパラグライダーでのフライトが出来る空域は限られます。国土交通省が指定する航空交通管制空域はフライト出来ない他、航空交通管制圏として指定されている空港等の周辺もフライトをする事が出来ません。また、フライトをしてよい空域でも、場所により上限高度と下限高度が定められておりこの中でフライトをする必要があります。そして、有視界であることが飛行可能な条件となります。
パラグライダーで飛ぶことのできない気象条件
法的な観点から離れ、飛ぶ事の出来ない気象条件に話を移します。
パラグライダーの翼は布と紐で出来ているため、雨が降るとフライトをする事が出来ません。雨を吸って布同士がくっついてしまい、翼に空気を取り入れる事が出来なくなる可能性があり危険が生じるからです。
また、動力を持ちませんのでパラグライダーの推進力を上回る強風が吹くとフライト中バックすることしか出来なくなりパラグライダーのコントロールを失い危険なので、これもフライトする事が出来ません。
また、航空法では有視界の気象状態が下記のように明記されています。上記の通りパラグライダーはこの有視界の気象条件下がフライト可能な法的条件となります。
- ◯高度 1,000フィート(300m)以下の空域
- 1. 飛行視界が 1500m以上
- 2. 雲から離れて飛行出来、かつ、操縦者が地表又は水面を引き続き視認できる
- ◯高度 1,000フィート(300m)以上、10,000フィート(3,000m)未満の空域
- 1. 飛行視程が 1,500m 以上
- 2. 垂直距離が上方 150m、下方300m範囲に雲がない
- 3. 水平距離が 600m 範囲に雲がない
- ◯高度 10,000フィート(3,000m)以上
- 1. 飛行視程が 8,00m以上
- 2. 垂直距離が上下方にそれぞれ 300m 範囲に雲がない
- 3. 航空機からの水平距離が 1,500m 範囲に雲が無い
つまり、パラグライダーでは雲の中を飛ぶ事はできません。たまに、雲に憧れを抱いている方がいらっしゃるのですが、残念ながら安全面からも発達した雲の下や、雲中をパラグライダーで飛ぶ事は様々なリスクがありフライトをする事が出来ないのです。
パラグライダースクール、フライトエリアでの飛行
パラグライダースクール等が管理するフライエリアは、原則上記の法的規制から外れたフライト可能な場所に位置しています。エリア指定の離陸場所、着陸場所を飛ぶ分には法的な規制を意識することはほとんどありません。また、パラグライダーのライセンスを取得するまでは、フライト出来ない気象条件となる時にはエリアの管理者からの指示があるため、この指示に従うことでフライト中に気象条件の変化等により危険な状況となることは避ける事ができます。